第2位 ブラームス

出身区分 ドイツ・オーストリア/ロマン派
生年没年  1833(ハンブルク)-1897(ウィーン)
学歴 個人教授(コッヘル、マクルスゼン)
主な作品
  • 交響曲第1番ハ短調(2位)
  • 交響曲第4番ホ短調(3位)

  • ヴァイオリン協奏曲ニ長調

  • ピアノ協奏曲第2番変ロ長調

■作曲家への道のり

 最初のピアノ教師であったコッヘルは、ピアノを持ってさえいなかったヨハネス少年の才能を見抜き、10歳までの3年間しっかり基礎技術を授けた。その後、コッヘル自身の師匠で作曲家でもあるマルクスゼンに師事し、ピアニストとしての腕を磨くとともに作曲の技を身につけた。ブラームスは、マルクスゼンを大変尊敬し、ドイツレクイエムの作曲の助言を受け、後年には、彼のピアノ協奏曲第2番を献呈した。その後、デュッセルドルフのシューマンを訪れ、彼の紹介で音楽界の寵児となっていくのは、音楽史でもよく知られたとおり。

 

■得意な楽器

 現在でも難曲に数えられる自らのピアノ協奏曲の初演のソリストを務めるほどの腕前。彼のバッハ演奏を聴いたワーグナーがリストやビューロウの演奏と比較して批判しているが、これは、逆説的に、ブラームスが当時最高のピアニストとされていたリストらと並ぶピアノの名手であったことの証明。

 

■人間関係

 父親はハンブルクフィルハーモニーのコントラバス奏者。彼の音楽が重厚と評されることとそのことは無関係ではないだろう。彼の低音への嗜好は明らかで、そのことは管弦楽法上の低音部の扱いによく現れている。例えば、ブラームス自身が「運命の足音が聞こえる」と語ったあの有名な交響曲第1番の冒頭部分を思い出していただきたい。

恋愛に関しては、生涯にわたって独身を貫き、晩年の写真のイメージから枯れた印象があるが、実は、若い頃は大変な美男子であった。その頃からの、クララ・シューマンとの親密過ぎる関係は音楽史上のタブーとされるなど、謎が多い人物である。

 

■主な作曲分野

 ベートーヴェンの衣鉢を継ぐ4つの交響曲、独奏楽器が、交響的な充実感あるオーケストラと対峙する4つの協奏曲、しっかりした構成の中にロマン派の香りを漂わせる室内楽とピアノ作品群、そして地味ながら深い味わいを残す声楽曲と、オペラ以外の全ての分野にわたって音楽史に残る名作を残している。クラシック界の王道と言われる分野に傑作を残しているという点において、ベートーヴェン以来の最大の作曲家と言われるにふさわしい大作曲家。

 

回答の傾向


「とても好き」と回答した数は1位のチャイコフスキーを上回る368名、さらに151名が「比較的好き」と回答し、8割を超える回答者がブラームスを「好き」と回答し、高い人気ぶりが伺える結果となった。しかし、「あまり好きではない」と「嫌い」が40名いたこともあって、ポイントでは第1位のチャイコフスキーにわずか86ポイント及ばなかった。 

 楽器別に見ると、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルンというオーケストラの中核とも言える部門で独占的に1位の評価を得ており、獲得部門数でもチャイコフスキーを上回っており、実質的には圧勝とも言える。一方、トランペットとチューバ部門では高い評価を得られなかったことは、古典的とも言えるやや地味なオーケストレーションを考えればうなずけることであるが、むしろ、出番が少ないトロンボーンから高い評価を受けていることに注目すべきだろう。

 

 年齢別には、10歳~39歳までの年齢層でチャイコフスキーに続く第2位、40歳以上59歳未満で第1位、60歳以上の年齢層ではベートーヴェンに続く第2位と幅拾い年齢層からの支持を集めた。チャイコフスキーに比較するとやや熟年層からの評価が特に高いということになる。

作曲家難易度::★★★(平均的な難易度)


 ブラームスの作曲家難易度は7.3ポイントと全体平均の7.3ポイントとほぼ同じで、ちょうど平均的な難易度である。楽器別に見ると、ヴァイオリンが7.6ポイント(楽器別全体の平均難易度に対して+0.3)、ファゴット8.6ポイント(同+1.2)、トランペットが7.3ポイント(同+0.3)、トロンボーンが8.1ポイント(同+0.5)、チューバが8.0(同+1.1)と楽器別全体の平均難易度に対して難しいと評価されている。

 一方で、ヴィオラが6.3ポイント(楽器別作品全体の平均難易度-0.7)、コントラバスが6.6ポイント(同-0.8)、クラリネットが6.6ポイント(同-0.3)と楽器別全体の平均難易度に対してやさしいと評価されている。

 総合的に見て、ブラームスは、「アマチュアにとって演奏しやすい作曲家」と分類できる。